今回はソロコンクールに挑戦しようと思っている中高生のみなさんに向けた内容です☝️
- ソロコンに出たいけどどんな曲があるのか知らない、、
- どんな曲を選んだらいいの?
- 演奏の制限時間におさまるちょうどいい曲を知りたい
- カットの仕方がわからない
- 簡単すぎず難しすぎずがいい、、
こんな悩みお持ちじゃないですか??
僕もこれまでたくさんのコンクールに出場してきましたが、曲選びは毎回悩みます☁︎
中でも中学生、高校生が出場できるコンクールだと演奏できる時間が短いものも多いですよね。(地方予選だと3分、なんて場合もあります)
そもそものコンクールの曲決めのポイントと、それぞれのケースに合わせたおすすめの曲をご紹介します。
楽譜のリンクも貼っておりますのでぜひご覧くださいね✨
ソロコンではどんな曲を選ぶのがいいの?
吹いてみたい曲を選ぶ!
聞いてみて「吹いてみたい!」「吹けるようになりたい!」と思う好きな曲を選びましょう!
忘れてはいけないのがここです。コンクールに向けてじっくり練習していく曲が、吹いていてつまらない曲では、練習意欲も湧かないし演奏のアイデアも浮かんでこないものです。
この記事でも具体的にいくつかの曲を紹介するので色々な曲を聞いてみてくださいね👍
それを踏まえた上で、この先の内容を読んでもらえると嬉しいです。
選ぶ曲の難易度について
ソロコンクールでは音楽的な面、技術的な面を評価されるので難しい曲を選びがちですが、大切なのは「どれだけ洗練された演奏ができるか」ということだと思います。
どれだけ曲が難しくても「リズムや連符が正確に吹けていない」「高い音が当たっていない」「ピアノ伴奏と合っていない」といった荒さの目立つ演奏になってしまってはコンクールでの結果はなかなか望めないでしょう。
コンクールまでの期間はそれぞれです。1ヶ月しか時間がないのか、半年かけてじっくり練習できるのか、によっても選ぶ曲は変わってきます。
いずれにしてもコンクール当日に楽譜が正確に吹けていることはもちろん、音楽の内容をしっかり考えながら演奏できるところまで練習できる曲を選ぶことが重要です👍
美しく洗練された演奏であれば曲の技術的な難易度が多少低くなってもきちんと結果に結びつくと思いますよ✨
曲の長さについて
やってみたい曲の長さがコンクールの制限時間より長いことはよくあります。特に学生向けのコンクールは出場者が多いものだと予選は3分、4分ということも珍しくありません。(本選や全国大会など規模が大きくなると人数が絞れられてくるので7分、10分と長くなることが多いです)
まずはコンクールの要綱をよく読みましょう。
制限時間を過ぎた場合は失格とする。
という場合もあれば、
制限時間になったら演奏を止めるが審査には影響しない。
というものもあります。
僕の経験上、後者が多いような気がしますが「制限時間を過ぎたら失格」というコンクールもあるのでよく要綱を読みましょう☝️
曲のカットについて
制限時間内に収まる曲、となると3分,4分の曲を探すのは意外と大変です。
そういった場合に曲をカットする、という方法を考えますが注意が必要です⚠️
どこをカットするかの判断を以下の点だけで考えるのはあまりよくありません。
- とりあえずピアノだけになるところをカットする。
- 難しくて吹けない数小節間だけカットする。
- 合わせるのが難しいところだけカットする。
当たり前ですがそもそもカットすることを想定して書かれている曲というのはないので、不自然なカットは逆効果になる可能性もあります。
やむをえずカットしなければいけない場合は様々なことを考慮して決める必要があります。和声の進行や音楽的な流れがなるべく自然になるようにしなければならないので非常に難しいです。
可能であればプロの奏者にレッスンをお願いしてカットについてもそこで相談するのが良いでしょう。
そういった機会を作るのが難しい場合は時間内に収めるためだけの無理矢理なカットはせずそのまま演奏し、止められるまで吹くのが良いと思います。(ピアノによる前奏が長い場合はサクソフォンが入ってくる数小節前から、にするのが良いでしょう)
時間制限がある場合はカットが必要のない長さの曲を選ぶのが無難かと思います👍
ソロコンにおすすめの曲【演奏時間別】
ここからが本題です。曲の長さ別におすすめの作品を紹介します。
コンクールで演奏する曲は決められた時間の中で音楽性やテクニックをしっかり表現できる曲を選びたいですよね✨
3分以内、4分以内、5分以内、7分以内、に分けて何曲か紹介しますので、ぜひ聞いてみてください✨
7分以上演奏できる場合ももちろんありますが、候補がかなり多くなるので今回は[7分以内]まで紹介します👍
基本的にはアルトサクソフォンで演奏する曲を紹介しますが、テナー(ソプラノ)の曲も数曲紹介しています。
◇3分以内
◆『プロヴァンスの風景』より第2曲、第3曲/ 作曲:ポール・モーリス
フランスの作曲家ポール・モーリスの作品です🇫🇷
本来は5曲からなる組曲ですが、そのうちの2曲を抜粋します。
第2曲「いとしい人への歌」・・・[6/8拍子] こちらはゆったりとした流れの曲で、メロディの美しさが魅力です。長さは約1:10〜1:30。
第3曲「ジプシーの女」・・・[2/4拍子]やや激しめの音楽でタンギングや連符を出てきます。第2曲とは大きく雰囲気の異なる曲です。長さは1:10〜1:30。
2曲合わせて約3分弱です。もちろんテンポ次第ですが特に2楽章をあまり遅くし過ぎないように気をつけると良いと思います👍
>>演奏している動画はこちら
◆『シャンソンとパスピエ』/作曲:ジャニーヌ・リュエフ
同じくフランスの作曲家、リュエフの小品です。🇫🇷
ゆったりとした美しい旋律の前半のシャンソンと軽快なリズムが印象的な後半のパスピエで構成されています。
短い時間の中でサクソフォンの魅力が楽しめる名曲です✨
◆『組曲』より第1曲、第2曲/作曲:ポール・ボノー
こちらもフランスの作曲家、ボノーが作曲した組曲。
4曲からなる組曲から2曲を抜粋します。
サクソフォンのソロから始まりピアノとの掛け合いが美しい第1曲「即興曲」、軽快なリズムとアーティキュレーションが特徴的な第2曲「悪魔の踊り」。
1楽章のピアノとのタイミングの共有、2楽章のアーティキュレーション、と前述した2曲よりやや難易度は高めです。
◆【テナーorソプラノ】『セレナーデ・ヴァリエ』/ロバート・クレリス
こちらはB♭管サクソフォン(テナー、ソプラノ)のための作品です。
非常にコンパクトで可愛らしい作品です。
朗々とした豊かなメロディーが少しずつ変奏されていく、といった作品。
3分に収まる曲ですが展開がいくつかあり内容は意外とたっぷり。
技術的にも易しいので初めての一曲に最適👍
◇4分以内
◆『アンダンテとアレグロ』/作曲:アンドレ・シャイユー
フランスの作曲家、シャイユーの小品。🇫🇷
シンプルな旋律が美しいアンダンテと、6/8拍子のアレグロからなる曲。
アレグロの後半はテクニック的な難易度がやや高い。
演奏時間:約3分20秒〜3分50秒
◆『ヴァイオリン・ソナタ 第6番』より第1、第2楽章/G.F.ヘンデル
こちらはヴァイオリンの作品ですが、サクソフォン用の編曲が出版されています。
サクソフォンが発明されるよりはるか昔のバロック時代の音楽です。
非常に耳馴染みの良い作品で、ピアノとのアンサンブルを感じながら演奏できると思います。技術的な難易度も高くないので、初めてソロの演奏に取り組む方におすすめです👍
演奏する際はぜひヴァイオリンの演奏も聞いてみてくださいね🎻
僕も初めてソロで演奏したのはこの曲でした✨
◇5分以内
◆『プロヴァンスの風景』第1曲、第2曲/ポール・モーリス
前述した作品と被りますが、抜粋する曲が異なります。
第1曲「若い娘たちのファランドール」第2曲「いとしい人への歌」の組み合わせです。
第1曲は6/8拍子の作品で、流れるような旋律が特徴的です。すごく速いパッセージはありませんが、複雑な音列を滑らかに演奏できるようにテクニック練習を行う必要があります。
◆『サクソフォンソナタOp.19』より第1楽章/ポール・クレストン
アメリカの作曲家、クレストンのソナタです。🇺🇸
サクソフォンの勉強する人のおそらく9割以上は取り組んでいる重要な作品。
テクニック的にもやや難易度は高いですが、音楽的な内容は幅広く4分30程度の作品のなかに非常に濃い内容が詰まった作品です。
◆『バラード』/アルフレッド・リード
吹奏楽の作品で有名なリードの作品。
非常に美しいメロディと、色彩感豊かなハーモニーが魅力的な一曲です。
全体的にゆったりとした流れの音楽です。音色を磨く、ハーモニーを感じて演奏する、レガートを美しく演奏する技術を学ぶのにぴったり。
繊細なニュアンスを求められる曲です。テンポはゆったりな曲ですが、決して地味な曲ではなく後半には非常に鮮やかな音楽が展開されます。
難しい連符や、速いタンギング、といったテクニック的な難易度はそこまで高くありません。音色や音程、発音やリリースといった部分を意識して練習しましょう👍
超いい曲です✨
◆『室内小協奏曲』より第1楽章/ジャック・イベール
フランスの作曲家、イベールのサクソフォンの協奏曲です🇫🇷
(カタカナ表記すると『コンチェルティーノ・ダ・カメラ』)
細かい16分音符、複雑なリズム、フラジオなど技術的な難易度はかなり高いですが、非常に内容の濃い作品です。
テクニックを磨きたい方にはぴったりの作品です。
この曲でフラジオのコツを掴んだ人もきっと多いはず👍
ピアノとのアンサンブルも緻密なので、じっくり時間をかけて練習しましょう✨
◇7分以内
◆『オリジナルの主題による幻想曲』/ジュール・ドゥメルスマン
イチオシの作品です✨
非常に完成度の高い作品で、様々な音楽的な要素が散りばめられており、いろいろなテクニックや音楽性を表現できます。
ピアノとのアンサンブルや、フレージング、連符など様々な技術を学べます。
◆『ソナタ 嬰ハ調』より第1楽章/フェルナンド・デュクリュック
フランスの女流作曲家、デュクリュックのソナタです。
とてもしなやかな旋律が魅力的です。
そこまで演奏される機会が多くありませんが、人気の高い作品です👍
全4楽章の作品です。時間的には[1楽章のみ][2楽章&3楽章][4楽章のみ]のいずれかになると思います。
ピアノとのアンサンブル、細かいパッセージがでてくるので難易度は高めです。
◆『ワルツ形式よるカプリス』/ポール・ボノー
こちらは無伴奏の作品です。
一人で全ての要素を演奏するので難易度は高いです。
テクニック的にも難易度はかなり高いですが、とても素敵な作品です。
無伴奏作品を勉強するのにとても適した作品だと思います。
◆【テナーorソプラノ】『ファンタジー』/デニス・ベダール
こちらはテナー(ソプラノ)サクソフォンのための作品です。
非常にスピーディーで歯切れの良い部分と、歌のような部分の対比が美しい作品です。
テンポが速いので瞬発力が求められます。
ぜひ聞いてみてくださいね👍
たくさん曲を聴こう
ここまでいろいろな作品を紹介してきましたが、やはり聞いてみるのが大切です。
多くの作品に触れていくうちに演奏してみたいなと思う曲が出てくると思います。
ソロコンに出るでないに限らず、ぜひソロの作品にもたくさん触れて練習してみてもらいたいなと思います。
記事のはじめにも書きましたが、作品の難易度にこだわらず「どれだけ洗練された演奏ができるか」をこだわって取り組んでほしいなと思います👍
>>曲練習のコツや進め方はこちらから
ソロのレッスンももちろん行っているので興味があったらお気軽にご連絡くださいね✨
それではまた〜。
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