今回はおすすめマウスピースの記事で紹介した、
【 Selmer社[S90]シリーズ 】
について、マウスピースのつくりやそれぞれに合うリードなど、演奏家目線で詳しく解説していきます。
今回は僕自身も吹いたことのある[170] [180] [190]の3種類について解説します。
マウスピースのつくりを解説
まず[S90]各モデルの解説をする前にマウスピースのつくりについて簡単に解説します。
オープニング
まずは「ティップ・オープニング」(以下「オープニング」)について。
マウスピースにリードを取り付けた際のマウスピースの先端とリードの距離⇅ を指します。(画像参照)
このオープニングの広さによって息の通り道の広さが変わる、ということです。
「だったら広い方息が入りやすくて良いんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、そんなに単純にはいかず、、、リードとの相性がとっても重要になってきます。
リードとの相性については各モデルの解説のところで詳しく書いています☝️
フェイシング
次に「フェイシング」について。
これはマウスピースの先端から、マウスピースとリードの接点までの距離⇄ を指します。(画像参照)
今回紹介する[S90]シリーズのフェイシングは全て24.00mmに統一されています。
ですので、オープニングが広くなるにつれてフェイシングのカーブが急になっていく、ということになります。
[170](オープニング狭め)
[170]はS90シリーズの中で、最もオープニングが狭いモデルです。
基本的にオープニングが狭いモデルには硬めのリードが相性が良いでしょう。
Vandoren Traditional(青箱)なら3か3 1/2がおすすめ。
リードは基本的に、柔らかいと振動する幅が大きく、硬い方が振動の幅は小さいです。
[170]のように息の通り道がもともと狭いマウスピースに柔らかいリードを付けると振動しているリードで息の通り道を塞いでしまい、つぶれたような音、詰まったような音になってしまうことがあります。
そこを気をつければ非常にコントロールしやすく、クリアでくっきりとした音色を得ることができます。
音が割れてしまうようなケースは少ないので、吹奏楽にも向いていると言えるでしょう。
どちらかといえば音が詰まったような現象の方が多くみられますので、そういう時はリードの番号を見直してみるのもアリです。しっかりと楽器に息が入るバランスを探しましょう。
[180] (標準)
続いては[180]。
[180]は非常にスタンダードなマウスピースです。
迷ったらこれを買っておけば間違いないです👍
リードは2 1/2〜3 1/2までどのリードも相性が良いので、非常に汎用性が高いです。
開きが狭すぎて音が詰まることはないので、息や音が詰まってしまう感覚がある方はリードの番号を一つあげることをおすすめします。
[170]に比べて少し息の量は必要になりますが、響きが柔らかくなります。コントロールもしやすいです。
僕は数年前まで[170]を使っていて、そこから[180]をずっと使っていますが、最大の決め手はこの響きの違いです。
[170]の少しタイトな引き締まった響きも良いのですが、[180]の柔らかい響きもいいなあと思い今も使っています。
[190] (オープニング広め)
最後はオープニングが広めの[190]。
さらにオープニングが広い[200]というモデルもありますが、僕自身使ったことがないのと、周りでも滅多にみないので今回は割愛させていただきます。
[190]は[180]よりさらにオープニングの開きが広くなります。
リードは柔らかめのものが相性がいいです。(2、3がおすすめ)
開きが広い分、息の量が多めに必要になるのと、アンブシュアの支えも強めにする必要があります。
楽器のコントロールに慣れるまではスムーズに音を出すのが難しい可能性があるので、中級者以上向けのモデルかと思います。
とはいえ、息が多く入ることによるメリットもあるので、[180]を吹いたことがあって物足りない、という方はぜひ試してみてください👍
まとめ
初めて自分のマウスピースを購入することを考えている方は、まず[170][180]を検討することをおすすめします。
楽器を買ったときに付属しているマウスピースが必ずしもその楽器や吹く本人と相性がいいとは限りません。
マウスピースを変えるだけでとんでもなく吹きやすくなる、ということも結構ありますので、ぜひ検討してみてくださいね✨
それではまた〜。
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