【サックスのコツ】「音程が悪い、、合わない、、」原因と解決方法。

・サックスのコツ

吹奏楽部のレッスンや地域の吹奏楽講習会に行った際に学生さんからの質問で、

  • 音程をよくする方法を知りたい
  • 他の楽器と音程が合わない
  • ハーモニーの合わせ方がわからない

といった内容がとても多いと感じます。

吹奏楽に限らず、アンサンブルやピアノとのデュオなど、どんな演奏形態でも音程が合っているかどうかは演奏のクオリティに直結する点です。

今回はそういった悩みをどうやったら解決できるかを考えてみましょう☝️

まず初めに「音程」と「ピッチ」について理解しよう

まず初めに「音程」「ピッチ」という言葉を理解しましょう。

どちらも聞いたことがある言葉かもしれませんが、正確な意味の違いを理解していますか?

簡単に解説すると

  • 「音程」・・・ある音とある音の「間隔」「距離」。
  • 「ピッチ」・・ある一つの音の高さ(チューナーで測れる)

と言った感じです。

吹奏楽部の皆さんは、パート練習や合奏の前にチューナーを見ながら「B♭」の音を合わせると思いますが、これは「ピッチ」を揃えるためのチューニングです。

つまり「チューニングでB♭の「音程」が合っていない」という文は不自然、ということになります。(「チューニングでB♭の「ピッチ」が合っていない」という文が自然)

「音程」という言葉には必ず二つ以上の音が関わってきます。

(チューニングでも1オクターブ下の「B♭」との音程が合っていない、という表現はありえます。)

まずはこの2つの言葉の違いを理解しておくのが大切です👍

「ピッチ」を合わせるコツ

ここからは実際にどうやったら「ピッチ」「音程」が改善されるのかを解説します。

まずは正確な「ピッチ」で演奏するコツについて。

【コツ①】チューナーを使って自分の楽器のピッチのクセを知ろう

周りと合わせる前にまず把握しておかなければいけないのが「自分の楽器のピッチのクセ」です。

チューナーを使って「この音は高くなりやすい」「この音は低くなりやすい」「この音は正しい音程で出やすい」、慣れてきたら「この音は+20くらい高くなる」「この音は−15くらい低くなる」といった感じで一音一音丁寧にチェックしてみましょう。

自然に吹いてチューニングの「B♭」が合う状態で、各音を自然な響きで吹きながら確認しましょう。(各音のピッチのクセを知ることが目的なので、チューナーの真ん中に合うように自分で音程を変えながら吹かない、のがポイントです☝️)

サクソフォンの場合、以下のような特徴があることが多いです。

(それぞれの楽器のメーカーやモデル、使っているマウスピースやリード、楽器の状態によって必ずしも当てはまるわけではありませんので、あくまで参考程度に考えてください)

丁寧に一つずつ確認して自分の楽器の音程のクセを覚えていきましょう。このステップをきちんと行なっていないとこのあとに解説する「音程の合わせ方」「他の楽器との合わせ方」「ハーモニーの合わせ方」でつまづいてしまう可能性が高くなるので、ゆっくり丁寧に確認しましょう。

【コツ②】どうやったらピッチのクセを少なく演奏できるか工夫しよう

自然に吹いた時に各音がどのくらいの高さで鳴るのかを確認したら、それを正確なピッチ(チューナーの真ん中)で吹けるか考えましょう。

気をつけなければいけないのは極端に音色や響きが変わる吹き方をして無理矢理コントロールしないという点。これが難しいのですが、吹き方や響きを大きく変えずにピッチを上げたり下げたりするのがポイントです。(曲の演奏中にコントロールできる範囲が理想)

場合によってはどこかのキイを押した方が、吹き方を変えずにピッチを上げ下げできることもあります。

色々試しながらベストなピッチになるポイントを探しましょう。

8拍くらいのロングトーンを正しいピッチでキープできると良いと思います👍

もちろん実際の曲の中でピッチをよくするのが最終的な目標なので、あまりにも複雑な指づかいは避けましょう。

【コツ③】他の人(楽器)のピッチのクセも理解しよう

特に吹奏楽だと、全く同じ音域のメロディーやロングトーンを演奏することがとても多いです。

例えば「アルトサクソフォン&クラリネット&トランペット」「テナーサクソフォン&ユーフォニアム&ファゴット」「バリトンサクソフォン&バスクラリネット&テューバ」などが挙げられます。

こういう場合に大切なのは相手の楽器の音程のクセを知っておくということです。サクソフォンが記譜の「真ん中の」が高くなりやすいように、他の楽器にも音程のクセというのは少なからず存在します。

サクソフォンでは高くなりやすい音がクラリネットでは低くなりやすい音だったり、サクソフォンだとピッチを少し下げるのは簡単でも、トランペットだと下げるのが難しい音、というのも存在します。

お互いの楽器のクセを理解して歩み寄るのがとてもとても大切です✨

「音程」をよくするコツ

ここからは「音程」のはなしに入っていきます。

自分の楽器の「ピッチ」をしっかり理解して「音程」をよくするステップに移っていきましょう👍

最終的に目指すのは「聞いていて自然な音程で演奏する」ということです。

【コツ①】メロディーの音程はインターバル練習で改善

まずはメロディーの「音程」を改善する練習です。

「インターバル」とは日本語で「間隔」を指す言葉です。隣り合った音との「間隔」を正確に演奏できるように練習していきましょう。

*譜例はこちら↓

基準になる「B♭」から各音に移って戻って、を繰り返す練習です。「B♭」からの間隔が少しずつ変わっていくのを意識しながらそれぞれの音が正しいピッチで鳴らせるように練習しましょう。もちろん都度戻ってくる「B♭」のピッチも変わらないように気をつけましょう☝️

例えば「B♭」から「F」に下がる時、「B♭」のピッチは[±0]なのに対して「F」のピッチが[+15]となってしまうと音と音の間隔は狭くなってしまいますよね。この現象を音程がよくない、音の幅が狭い、と表現したりします。

もちろん曲の流れやメロディーの流れや鳴っているハーモニーによって、適した「音程」というのは変わってくるので全ての音が[±0]になればいい、というわけではありませんが練習の段階ではなるべく[±0]を意識すると良いでしょう。

この練習は基準の音を色々と変えながら練習するのが大切です。

チューニングの音だけでなくあえて、高くなりやすい音、低くなりやすい音を基準にして練習する、というのもとても効果的です👍

次はハーモニーの音程についてです。

【コツ②】ハーモニーの音程を合わせるためにはいくつかのルールを知っておこう

次はハーモニーの「音程」を改善する方法について。

メロディーでは一つ前の音との「音程」について解説しましたが、ハーモニーでは同時に鳴っている他の音との「音程」を合わせることを考えます。

ここからは少し勉強する必要があるポイントですが、ハーモニーというのは全部の音のピッチが「±0」になっていれば綺麗に響く、というわけではありません。

和音によって「高めに吹かなければならない音」や「低めに吹かなければならない音」があります。

最もよく出てくる二つの種類のハーモニーについて解説します。

◆長調のハーモニーを合わせるコツ

まずは「長調」のハーモニーについて。(「長調」はドイツ語で「Dur(ドゥアー)」、英語で「Major(メジャー)」と言います)

吹奏楽のハーモニー練習で一番よく出てくる「B♭dur」のハーモニーで解説します。

(下記譜面は「inE♭」です)

in E♭です(アルト、バリトンサクソフォンの譜面)

ハーモニーの基準になる音のことを「根音」と言います(今回の場合は「B♭」が根音)。

そこから数えて3つ目の音(今回の場合は「D」)を「第3音」、5つ目の音(今回の場合は「F」)「第5音と呼びます。

長調のハーモニーの場合

  • 「第5音」・・・ほんの少し高め
  • 「第3音」・・・かなり低め
  • 「根音」 ・・・ぴったり±0

を意識しましょう。

第3音を吹く人が高く吹いてしまうと響きに大きなうねりができてしまいます。

練習の段階ではあえて第3音を高めに吹いたりして、わざとうねりを作ってみるのも良いと思います👍

◆短調のハーモニーを合わせるコツ

次に「短調」のハーモニーについて。(短調はドイツ語で「moll(モール)」英語で「minor(マイナー)」と言います)

先ほどと同じく「B♭」の音を根音とする「B♭moll」のハーモニーで解説します。

(下記譜面は「inE♭」です)

第3音が「D♭」になります。

短調のハーモニーの場合

  • 「第5音」・・・ほんの少し高め
  • 「第3音」・・・かなり高め
  • 「根音」 ・・・ぴったり±0

長調の時は「第3音」は低めに吹きますが、短調の時は高めに吹きます。

和音が複雑になってくるとさらに複雑になりますが、基本になるのはこの2種類なのでぜひ覚えておきましょう👍

自然な音程の演奏を目指そう✨

ここまで解説してきたことを一つずつゆっくり練習して自然な音程で演奏できるように頑張りましょう👍

ハーモニーの種類はとても多いので、その都度どういう音程の取り方をするかを意識したり調べたりしながら習得していきましょう。

まずは「長調」「短調」の吹きわけができるように練習してみるといいかもしれません✨

それではまた〜。

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