今回は楽器の練習の初めにやっている基礎練習についてのはなしです。
基礎練習の時間
まずよく聞かれるのは「どんな基礎練習をしているのか」「何分ぐらいやってるのか」という話です。
結論から言うと
内容は「スケールとエチュード」
時間は「確保できる全体の練習時間による」
です笑
今回は具体的に「練習時間があまり取れない日(1時間)」と「練習時間を十分に取れる日(3時間)」の2パターンでお話しします。
興味を持っていただけることがあったら、ぜひ試してみてくださいね✨
練習時間があまり取れない日(練習全体で1時間)
まずは「今日は1時間しか練習できない」という場合。時間配分は
- 基礎練習 30分
- 曲の練習 30分
になることが多いです。
具体的にこの30分の中でやっていることは、前述した通りスケールとエチュードなのですが、扱う調性にこだわっています。
つまり、その時練習している曲の調で基礎練習をする、ということです。
スケールのはなし
何も考えずにとりあえず全調のスケールを作業的にこなしてしまうのはあまりよくないと思っています。
スケール練習は考えることはシンプルですが、それを怠ってしまうと、気づかないうちに悪い癖をどんどん体に刷り込んでいってしまう、ということにつながります。
ただ丁寧にゆっくりやっていると、30分では全調のスケールを網羅することは難しい、、、
そこで、短い時間で練習の効率をあげるために、その時練習している曲の調だけを使って練習をします。
スケールはスラーやスタッカートやさまざまなアーティキュレーションで音のムラや音程をよく聞きながら練習します。(ダイナミクスもいろいろ変えながら)
僕の場合はスケールのテンポもその時練習している曲のテンポでやっています。
レッスンでもよく言うのですが「基礎練習が上手くなるための基礎練習」ではなく「曲が上手くなるための基礎練習」をしたいので、いろいろなアプローチで基礎練習と曲を繋げていくと良いと思います。
その時練習している曲のテンポの中で無理のない練習をします。
(テンポ180だったら8分音符まで、テンポ52だったら32分音符までといった感じ)
あくまで曲のテンポ感の中で色々な練習をする、ということを心がけています。
練習する曲が変われば基礎練の調もそれに伴って変わるので、より曲の感覚に直結する練習ができます。
エチュードのはなし
エチュードも同様に、その時練習している曲の調を練習しています。
僕の場合はラクールの50のエチュード、フェルリングの48のエチュードを使うことがほとんどです。(エチュードについて詳しく書いた記事はこちら)
楽譜自体は易しいので、音や音程、音楽の流れにより細かく注意を払いながら吹くことができます。
(技巧的な部分が多い曲の練習をしているときはクローゼを使うこともあります)
エチュードはスケールよりは音楽的に、メインで練習している曲よりは余裕を持って吹くことができるので、意識していたことを落とし込みながら練習することを心がけます。
これで30分の基礎練習時間をより効率よく使うことができるのではないでしょうか。
あくまでこの後の30分間の曲練習をより効率よくするための基礎練習なので、そこを意識して内容を決めると良いかなと思います👍
練習時間を十分に取れる日(練習全体で3時間)
次に「練習時間が3時間取れる」という日の場合。
練習時間の配分としては
- 基礎練習(スケール) 1時間
- 基礎練習(エチュード) 1時間
- 曲の練習 1時間
こんな感じです。
練習している曲が多いときはエチュードの時間を少し削ることもあります。
スケールのはなし
時間が十分に取れるときは全調のスケールを練習しています。
テンポに関しては、練習時間が取れない時と同様、その時練習している曲のテンポに設定。
スケール練習の内容は
- ゆっくり全音域をスラーで(音のつながりに注意する)
- ゆっくりレガートタンギングで(舌の動きを確認、音域ごとの舌を力加減をよく確認する)
- 速くスラーで(指の動きにばらつきがないか確認)
- アーティキュレーションを変えて(色々なパターンを試す)
- 音量を変えても安定して吹けるよう練習(特に弱音を練習)
という感じです。
基礎的な技術を向上させるという目的はもちろんですが、その日の自分の調子を確認するためにも、できるだけ毎回同じようなメニューで行なっています。(アーティキュレーションは毎日変えて色々のパターンをやります)
人間なので毎日全く同じことができるとは思っていません。笑
日によって、
「今日はタンギングがなんか上手くいかない」「指が転びやすい」「音量のコントロールが上手くいかない」みたいなことはよくあります。
そういう時は「そういう日だ」と割り切って、できるテンポでゆっくりやることをお勧めします。
きちんと自分の状態を見極めて練習していれば少しづつ、調子の崩れは減っていきます。
エチュードのはなし
時間があるときはエチュードもいろいろな物をやります。
一冊のエチュードをひたすらやるというよりは、いくつかのエチュードから数曲ずつ練習することが多いです。
毎日確実に使うのは
- 50のエチュード/G.ラクール (音色、音程、レガート、スタッカート)
- 25のエチュード/H.クローゼ (易しいテクニック練習)
- 48のエチュード/W.フェルリング (調性感、和声進行、転調、フレージング)
です。
これに加えて、日によって
- 20のエチュード/L.ブレマン (テーマのバリエーション、シンプルなフレーズ、スタミナ(笑))
- 18のエチュード/ベルビギエ (中難易度のテクニック練習)
- エチュード/テルシャック (高難易度のテクニック練習、跳躍)
- 12のエチュード・カプリス/E.ボザ (即興的な曲、曲の解釈)
の中から練習している曲の演奏に直結するであろうものを選んで練習しています。
( )内はそれぞれのエチュードの特徴です。(個人的な意見です)
(エチュードについて詳しく書かれた記事はこちら)
基礎練習は同じことを毎日繰り返すのではなく、その時自分に必要な技術を見極めてメニューを決めていくと、より効率よくスキルアップできるのではないでしょうか。
基礎練習は量より質ですよ!!
気になったことはぜひ一度試してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他の記事もぜひ読んんでみてくださいね。
次回は、曲のさらい方について書いてみようと思います。
それではまた〜。
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