今回はレジェールリードの話をしようと思います。
つい最近久しぶりにれジェールを吹いたところ以前持った印象とだいぶ違ったので、その辺りを含めてお話ししてみます。
レジェールと普通のリードの違い
まずレジェールと一般的なリードの違いについて簡単な説明を。
材質
一般的なリードは「葦(あし)」という木を削って作られています。それに対してレジェールは「樹脂」を型に流して作られています。
ラインナップ
葦のリードは定番のメーカーとして「Vandoren(ヴァンドレン)」「D’Addario(ダダリオ)」が挙げられます。そのほかにもかなり多くメーカーで製造されており、各メーカーでも数種類のラインナップが展開されています。形状やカットの仕方などが様々です。
レジェールには「クラシック」「シグネチャー」「アメリカンカット」「スタジオカット」があります。最も標準的でバランスが良いのは「シグネチャー」だと思います。
使い方
葦のリードは開封してから状態が安定するまでにしばらく時間がかかります(僕の体感では1週間〜2週間くらい)。植物なのでもちろん個体差があり、いくら吹いても良い状態にならないものもあります。人によって吹きやすいリードは違うので一概には言えませんが、僕の感覚だと一箱(10枚入り)を買った場合、本番でも使えるようなリードが2〜4枚、練習には使えるというリードが4〜6枚、全然使えないのが1〜2枚といった感じです。
一方レジェールは樹脂製なので状態が大きく変わることはありません。開封した時点からすぐに使うことができます。
使える寿命
葦のリードは開封後、状態が安定してから1ヶ月くらいがいい音で使える期間かなと思います。もちろん1日に吹く時間が長ければ多少短くなると思います。また、一枚のリードを酷使するのではなくローテーションしながら使用することでそれぞれのリードの寿命を長持ちさせることができます。
水分を含んで吐き出して、を繰り返すうちに繊維が変化して吹き心地が変わっていきます。
レジェールリードは樹脂製なので水分を吸収することはないです。ただ演奏中は圧力がグッとかかっていることになるので少しずつ劣化はしていきます。ただ繊維の変化や乾燥や湿気に影響を受けないので吹き心地はほぼ一定です。
ただ外的損傷(ぶつける、落とすなど)によって破損してしまうと吹けなくなってしまう点は葦のリードと同じです。
値段
葦のリード
葦のリードは楽器の種類(アルト、テナー、バリトン)によって値段が大きく変わります。
大体の価格はこんな感じ(メーカーや販売店により差あり)。
- ソプラノ(10枚)・・・¥3,000〜¥4,500
- アルト(10枚)・・・・¥3,500〜¥5,500
- テナー(5枚)・・・・¥3,000〜¥4,000
- バリトン(5枚)・・・¥4,500〜¥6,000
(YAMAHAホームページより引用→こちら)
レジェールリード
レジェールは一枚ずつ販売されています。(楽器店で試奏して購入することができます)
シグネチャーシリーズの値段を記載します。(販売店によって多少の誤差あり)
- ソプラノ(1枚)・・・¥4,200〜¥4,800
- アルト(1枚)・・・¥4,200〜¥4,800
- テナー(1枚)・・・・¥4,500〜¥5,200
- バリトン(1枚)・・¥4,600〜¥5,300
吹き心地は実際どうなの?
個人的な意見ですが、結論から言うと「ほぼ葦と同じ」です。
初期のレジェール発売当初に試した時「イマイチかな、、」と思ってしまってそれ以来全く試していなかったのですが、最近生徒や学校の依頼で選定をして驚きました笑
「こんなに普通の吹き心地なの、、??」ってなりました。
なんなら全音域通しての吹き心地はレジェールの方がいい可能性もあります。笑
一点足と決定的に違うのは、加えた時の下唇の当たり心地です。葦がサラサラしているのに対してレジェールはツルツルです。慣れてしまえば気にならないと思いますが、初めはやや違和感があるかも。
音色はどうなの?
葦を基準に考えると、レジェールの方がやや明るい感じがするのと、少し開きやすいのかなという印象です。
ただ、僕は葦のリードを吹く前提で選んだマウスピースで試したので、レジェールを吹く前提でマウスピースを選べばこの問題は解決するかな、という感覚もありました。
今まで葦をずっと使っていた人がレジェールに切り替えるなら、可能であればマウスピースと合わせて購入する方がいいかなと思います👍
おそらくバッチリ相性がいいマウスピースとレジェールであれば相当いい音が出ると思います。
ただやはり葦のリードには独特の倍音と響きがあり、それが好きな方は多いのかなと思います。
どっちがおすすめ?
個人的には音が好みであればレジェール全然あり、だと思います。
吹き心地や音色が好きな方を使うのがいいと思いますがその他の条件で決めるとしたら以下を参考にしていただければと思います。
葦がおすすめの方
- リードの状態の変化で変わる音色を活かして演奏したい方
- 定期的にリードを購入できる経済的な余裕がある方
レジェールがおすすめの方
- コストを抑えたい方
- リードの管理や湿度変化に対応するのが難しい方
- その楽器をたまにしか吹かない方
まず大きいのはコストの違いです。
葦だと定期的に¥4,000〜¥5,000かかってしまいますが、レジェールは普通に使っていれば1枚で半年くらいは一枚で行けるのでお得です。テナー、バリトンならなおさらです。
レジェールを使う方は取り扱いには一層の注意が必要です。(葦は適当で良いというわけではありませんw)
リードの扱いに慣れていれば、レジェールは学生さんにもおすすめかなと思います。きちんと選んだレジェールを使っていれば、実は全然良くない葦のリードを使ってよくない奏法で吹き続ける、ということもないし、毎日変わる葦リードの吹き心地に戸惑うこともないでしょう。
ただきちんと数枚の中から吹いて選ぶか、プロの方に選んでもらうことをお勧めします。
気になる方は是非一度楽器店で試してみることをおすすめします!
ここまで色々解説しましたが、結局のところ吹いてみるのがなによりも大切です。
いくら型に流して作った樹脂製といえども個体差はあります。同じ番号の中でも軽く感じるもの、重たく感じるもの、息が通りやすいもの、通りにくいものなど様々です。
ぜひ試してみてくださいね✨
それではまた〜。
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